焼酎はいろいろな種類があり、香りや風味を楽しむことができるお酒として人気です。
「自分のお気に入りがこれ!」というのが決まっている人もいるとは思います。「米が良い、麦が良い」などと、焼酎の原料の種類のよっても好みがあると思います。
しかし、まだ知らない美味しい焼酎があるかもしれませんよ。焼酎の種類や特徴などに迫ってみましょう。
焼酎の原料による違いと特徴
焼酎の使われる原料は50種類以上もあると言われています。
すべての種類を飲み比べるのは大変ですが、一般的に多くて人気のある、米、芋、麦が主原料の焼酎の違いや特徴からまずは見てみましょう。
米焼酎
焼酎を作る時に欠かせない麹も米からできています。よって、米焼酎は主原料も米ということで、米と水だけからできたシンプルなお酒ということになります。日本人の食生活には欠かせない米を原料にした焼酎は、やはり馴染みやすい焼酎です。
伝統的な製法の米焼酎は、濃厚で柔らかい味わいで、日本酒に似た部分があります。ただ、焼酎は醸造酒である日本酒と違って、アルコール度数が高いので氷や水で割って飲むのがおすすめの飲み方です。
最近はさわやかでフルーティな味と軽い風味のものも作られるようになって、人気が出てきています。
参考:「米焼酎のおすすめ銘柄」
芋焼酎
芋焼酎に使われるのは「さつまいも」です。さつまいもは甘さのある糖分の多い芋なので、焼酎にしても甘さのある濃厚な香りと味わいが特徴になります。芋焼酎の味はさつまいもの種類によっても変わってきます。
一般的にはでんぷん質が多い黄金千貫(こがねせんがん)という品種が多いのですが、焼きいもとしても人気の高い安納芋(あんのういも)や紅あずまのような品種を使ってできている焼酎もあります。
また、焼酎の原料のために品種改良された「ジョイホワイト」という品種もあります。皮も中身も白く独特の芋臭さのない端麗な味わいの焼酎ができます。
芋焼酎は濃厚な味わいを楽しむのであればロックが良いでしょう。芋の香りが強いと感じれば水割りやお湯割りもおすすめです。
参考:「芋焼酎のおすすめ銘柄」
麦焼酎
麦焼酎は最もクセがなく飲みやすいと言われているのが特徴です。麦独特の香ばしいようなまろやかさがあります。
女性や初めて焼酎を飲むという人でも飲みやすいでしょう。クセが少ないので、食事中でも美味しく飲むことができます。
麦焼酎はお湯割りにしても美味しく飲めるというのも特徴です。それはすっきりとした香りなので温めても飲みにくくならないのです。麦の香りを楽しみながら飲むことができますよ。
参考:「麦焼酎のおすすめ銘柄」
種類別のおすすめの焼酎の銘柄
焼酎の一般的な種類をあげました。それぞれの焼酎のおすすめの銘柄を見てみましょう。
米焼酎
鳥飼酒造 吟香鳥飼
鳥飼酒造の吟香鳥飼は、モンドセレクション特別金賞を受賞もしていますし、皇太子様が愛飲しているとも言われている米焼酎です。
華やかな香りと柔らかい味わいで、すっきりとしており日本酒と間違えるほどの飲みやすい焼酎です。「米焼酎の傑作」とあらゆるところで絶賛されています。
高橋酒造 しろ
高橋酒造は創業明治33年から、米焼酎造りの伝統を受け継ぎつつ、新しい焼酎を産み出しているメーカー。
その中のしろは、上品な香りと軽いクリアな口当たりが美味しい米焼酎です。どんな料理とも相性が良いので食中酒としても楽しめます。飽きなく飲むことができます。
芋焼酎
霧島酒造 赤霧島
焼酎造りの名門である霧島酒造の赤霧島。幻の紫芋と言われる「ムラサキマサリ」が原料です。
甘みや上品な香りが特徴の新しいタイプの芋焼酎です。ムラサキマサリの生産量に合わせての限定出荷なので、希少価値も人気も高い芋焼酎です。
伊佐美
甲斐商店の伊佐美はプレミアム芋焼酎の元祖と言われ、手に入らない芋焼酎として有名です。
伊佐美の原料は一般的な黄金千貫ですが、黒麹を使用しているので濃厚な味わいをしています。芋らしい素朴な味わいと、なめらかな喉ごしを楽しめます。
麦焼酎
佐藤酒造 佐藤 麦
佐藤酒造は、人気芋焼酎である「佐藤 白」や「さつま」などを手掛けている歴史のある酒造メーカーです。
佐藤 麦は、麦の香ばしい香りとまろやかなコクや甘みがあり、ライトな飲み口が人気。販売が2007年と最近ですが、瞬く間に人気となった麦焼酎なのです。
黒木本店 百年の孤独
創業明治18年という老舗の黒木本店の百年の孤独は、麦焼酎の中で幻の一品とされているほど人気のプレミアム麦焼酎です。
蒸留した焼酎をウイスキーと同じようにホワイトオーク樽で熟成しています。よって、ほんのりとオークの香りから洋酒のような雰囲気を感じさせます。
ココナッツや香ばしい麦の風味などが上品に感じられ、複雑ですが柔らかい味が印象的です。アルコール度数が40度と高めですが、それを感じさせない優しさがあります。
地域別焼酎の種類
焼酎は地域によってそれぞれの特性を活かして作られてきました。
伝統的に昔から作られている焼酎の産地があるのです。地域別の焼酎の種類や特徴をご紹介します。
鹿児島焼酎
鹿児島は焼酎の生産量が全国1位、消費量も1位という、焼酎に馴染みの深い県です。
鹿児島の焼酎には大きくわけて、「薩摩焼酎」「黒糖焼酎」が有名です。その他にも米焼酎や麦焼酎でも100を超える焼酎蔵があると言われています。
鹿児島と言えば、さつまいもから作られる芋焼酎である「薩摩焼酎」が定番ですが、「黒糖焼酎」も鹿児島の奄美大島の名焼酎です。黒糖焼酎はラム酒やウイスキーのような甘みや香りがあり、美味しいと人気になっています。
参考:「鹿児島焼酎のおすすめ銘柄」
参考:「黒糖焼酎のおすすめ銘柄」
薩摩焼酎
薩摩焼酎は先ほど取り上げた、鹿児島の芋焼酎のこと。鹿児島県は火山灰の土壌や気候がさつまいもの栽培に適しており、芋焼酎の製造が拡大したのです。
薩摩焼酎はワインのボルドー、ブランデーのコニャックと同じように、2005年にWTO世界貿易機関の協定に基づく、産地指定を受けた世界的に認められた蒸留酒なのです。「薩摩焼酎」と名乗るためには、基準をクリアしていなければなりません。
- 鹿児島県産のさつまいもと水、米麹または芋麹を使用していること
- 鹿児島県内(奄美は除く)で全行程が行われていること
鹿児島県内で作られていても、米焼酎や麦焼酎は薩摩焼酎とは言えません。美味しい芋焼酎を探すときには、薩摩焼酎を選んでみると良いでしょう。
参考:「薩摩焼酎のおすすめ銘柄」
球磨焼酎
球磨焼酎は九州の熊本県最南部にある球磨地方で作られている米焼酎のブランドのことです。球磨焼酎も薩摩焼酎と同じようにWTOの協定に基づいて産地指定をされている世界的に認められている焼酎です。
球磨焼酎は米焼酎のルーツとも言われています。球磨焼酎の定義は次のようなことです。
- 原料は米のみ
- 人吉球磨の地下水で作られたもろみを使用
- 人吉球磨で蒸留から瓶詰めまで行っている
球磨地方は清流球磨川の流れを中心に広がる米の産地ですので、高品質の米焼酎が出来上がるのです。
球磨焼酎にはブランドマークがあるので、美味しい米焼酎である球磨焼酎を選ぶ時にはマークを探してみると良いでしょう。
参考:「球磨焼酎のおすすめ銘柄」
壱岐焼酎
麦焼酎発祥の地であるとされる、長崎県の玄界灘に浮かぶ小さな壱峻島。豊富に麦や米などの穀物ができる気候と良質な地下水が原料としてあるので、清酒文化が発達していたのです。
壱峻焼酎もWTOに産地指定を受けてある世界に認められた銘酒です。壱峻焼酎には次のような特徴があります。
- 壱峻島で全ての工程を行っていること
- 米麹と大麦を1:2の割合で使用した製法
壱峻焼酎は、伝統的な製法で熟成されており、米麹の甘みと麦の香りのある、まろやかな味わいの麦焼酎になります。
参考:「壱岐焼酎のおすすめ銘柄」
焼酎の違いを知って焼酎を楽しもう!
焼酎は今とても人気のあるお酒。居酒屋さんや酒屋さんでも種類がたくさんあります。その中でよく見かけるのが、米・芋・麦の焼酎ではないでしょうか?それぞれ原料によって味や香りの特徴が変わってきます。製造法によっても風味や味わいは変わってきます。
米はまろやかで日本酒のようなすっきり感があれば、芋は独特の甘みや濃厚さがあります。麦はクセがなく飲みやすいというように、それぞれの良さ、特徴があります。自分の好みに合わせて選びましょう。
また、伝統的に伝わる地域の焼酎、薩摩焼酎、球磨焼酎、壱峻焼酎は名品揃いです。WTOによって産地指定銘柄と確立されているので、焼酎選びの一つの目安となるでしょう。いろいろな焼酎の特徴を知って楽しんでみて下さい。
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