映画のワンシーンやバーでラム酒にハマって飲み始めた人結構いらっしゃいます。
しかし、どういうお酒かよく知らないとかっこ悪くありませんか。ちょっとしたラム酒の小話や作られ方について知っているだけで、格好がつきますし、何よりもっとラム酒のことが好きになれます。
- 自分の好きなラム酒を見つけられるようになる
- 飲みの席でどんなお酒か答えられる
- より美味しくラム酒を飲むことができる
あなたはラム酒について質問されたとき、『ラム酒とはどんなお酒か』『その歴史や作られ方』について答えられますか?
クリビー
目次
ラム酒とは
ラム酒とは、サトウキビを原料にして蒸留されたお酒で、度数は40度から50度ほどと高いです。
また味は「焦がした苦味のなかに甘みがある」 独特の風味のあるお酒となっています。
最近は映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」の中でラム酒を飲むシーンがあったことからラム酒が注目されました。
パイレーツ・オブ・カリビアンで有名になったキャプテンモルガン銘柄
ラム酒とは【簡単にワカル】
- サトウキビを原料に作られているお酒
- アルコール度数は、40度~50度と高い
- 蒸留酒類のスピリッツに分類される
- ラム酒の起源はカリブ海の島々。発祥はカリブ海の「プエルトリコ島」か「バルバドス島」と言われている
- ラム酒の基本的な味は、「焦がしたような苦味のある甘み」
- ラム酒の香りは甘い匂い
- ラム酒は色によって種類が違い、「ホワイトラム」「ゴールドラム」「ダークラム」の3種類
「ラム酒とは」を簡単にまとめるとこのような形になります。
それではより詳しくラム酒とはどんなお酒なのか見ていきましょう。
>> ラム酒の銘柄を厳選しておすすめランキングをまとめました
ラム酒の歴史
ラム酒はサトウキビを原料として作られている蒸留酒です。
1492年にコロンブスのアメリカ大陸発見以降に、カリブ海の島々でサトウキビの栽培が始まり、そこからラム酒が生まれたと言われています。
発祥については、「バルバトス島説」と「プエルトリコ島説」の2つの説が有力となっていますが、17世紀にはラム酒が誕生していたようです。
ラム酒は海賊船や船乗りの男との関わりが強いという歴史があります。
なぜならラム酒を飲むことで船上でのストレス発散やエネルギー摂取の役割を果たしていました。またラム酒を飲む効果として、船乗りがよくかかった病気、壊血病への特効薬としても活躍していました。
そのため商船や海賊船、船着き場の酒場には常にラム酒が置かれていたのです。
日本でのラム酒の歴史
日本でも小笠原諸島では、1830年頃の開拓の初期からラム酒を飲んでいた歴史があります。その後、サトウキビの栽培も始まり、日本産のラム酒が作るようになっていったのです。
現在では、小笠原諸島以外でも鹿児島や沖縄の酒造メーカーでもラム酒が作られています。
日本のラム酒として有名なメーカーは、沖縄グレイスラムのコルコル(CORCOR)が挙げられます。
アルコール度数
ラム酒のアルコール度数は約40~50%くらいです。
ビールのアルコール度数が約5%、日本酒やワインで約15%ですので、アルコール度数は高いお酒と言えるでしょう。
ラム酒をそのままストレートで飲むとアルコール度数は高いのですが、カクテルのベースとして使用すると、そこまで高くなくなります。
「度数が高くキツイな。」と感じる方は、カクテルや割り物を利用して美味しく飲みましょう。
※ただし、「151プルーフ」「151」という表記があるラム酒には注意が必要です。それはアルコール度数が75.5%あるのです。
ラム酒を使った有名なカクテルから家で簡単に作れるカクテルまで賞味期限
ラム酒には賞味期限は記されていません。
それはアルコール度数が高いからです。アルコール度数が高ければ、微生物も繁殖することがないので腐ることはまずありません。
しかし、ラム酒の保存方法によっては劣化してくることもあります。
未開封の場合はそこまで気にすることはありませんが、開封後のラム酒の保管・保存には注意しましょう。
ラム酒が劣化しない保管・保存方法
開封後の置く場所は、直射日光を避けて、10度前後で保存するのがおすすめです。
10度前後の場所なんてないよ!という方、冷蔵庫の野菜室が平均6度なので多くの方がそこにしまっています。
未開封の場合は棚の中や床下収納などに置いておくと良いでしょう。
ただ、保存場所については好みの問題もあります。
ラム酒は香りを大事にするお酒でもありますので、香りを楽しみたい方は常温保存がベスト。
冷たいと香りが立ちません。ラム酒独特の香りを味わえないのはもったいない。と感じる人は常温にしましょう。
クリビー
カロリーや成分
ラム酒は甘い香りがすることもあり、なんだかカロリーが高くて太ってしまいそうな気がしませんか。
実際カロリーを見ても、ラム酒は100gあたり240kcalと高カロリーなのです。
ビールが40kcal、ワインが7kcal、日本酒が110kcalと比べるとよく分かりますよね。
カロリーだけを見ると、太りやすいと感じられますが、ラム酒は糖質などの他の栄養素を含まないので、実は太りにくいお酒なのです。「エンプティー・カロリー」と言われます。
逆にビールやワイン、日本酒は糖質も含まれるので、太りやすいのです。
ラム酒の成分表(平均的なもの)
カロリー | 240Kcal | 水分 | 66.1g |
タンパク質 | 0g | 脂質 | 0g |
炭水化物 | 0.1g | ナトリウム | 3mg |
カリウム | 0mg | カルシウム | 0mg |
マグネシウム | 0mg | 鉄 | 0mg |
ビタミンD | 0mg | ビタミンC | 0mg |
ビタミンB1 | 0mg | ビタミンB6 | 0mg |
製法
ラム酒は2つの製法でつくられています。
- インダストリアル製法
- アグリコール製法
インダストリアル製法
サトウキビを砂糖に精製するときに、「モラセス」という副産物ができます。モラセスを原料としてラム酒をつくるのがインダストリアル製法です。
モラセスは長期間貯蔵できるので、一年を通して製造することが可能です。ですので、ラム酒の約98%がインダストリアル製法で作られているのです。
アグリコール製法
サトウキビの搾り汁を原料としてラム酒をつくる製法がアグリコール製法です。
アグリコール製法は、サトウキビの栽培地の近くで、しかも収穫時期でなければ製造が行えないので、生産量が少なくなります。
インダストリアル製法に比べると、新しい製法になります。作られたラム酒は希少価値が高いので、価格も高めになってしまいます。
アグリコール製法で作られた人気のラム酒は、「コルコル アグリコール」や「ラオディ アグリコールラム」、「バルバンクール 15年」があります。
ラム酒の種類
ラム酒は色や製造方法によって、種類があります。色によって次のように分けられます。
- ホワイトラム
- ゴールドラム
- ダークラム
- ライトラム
- ミディアムラム
- ヘビーラム
ホワイトラム
ホワイトラムは活性炭で濾過して作られているので、透明で香りも少ないラム酒。主にカクテルベースとして使用されます
ゴールドラム
ゴールドラムは透明感がありますが、金色、琥珀色をしています。程よい香りです。
ダークラム
ダークラムは長期間熟成されたもので、濃く深い褐色をしています。味も香りも甘く濃厚なものが多く、ロックやストレートで飲まれることが多くなります。
そして、風味・製造方法によっても分けられます。
ライトラム
連続式蒸留器で蒸留して、熟成期間が短いラム酒です。軽めで柔らかい口当たりなので、カクテルベースとして人気です。
ミディアムラム
ライトラムとヘビーラムの中間のタイプです。バランスのとれた香りと味わいで楽します。ミディアムラムはボトルに明記されることは少なくなります。蒸留法も様々で、ライトラムとヘビーラムを混ぜて作られていることもあります。
ヘビーラム
単式蒸留器で蒸留され、長期で熟成されているのがヘビーラムです。味も色も濃く芳醇なものが多くなります。
また、スパイストラムと言って、スパイスやバニラのような香料で香り付けされたラム酒もあります。甘い香りと低めのアルコール度数から、美味しく飲めることで女性やラム酒初心者にも人気があります。
ラム酒の有名な銘柄
ラム酒は世界各国で作られています。その中で次の銘柄が有名でよく知られています。
有名で人気なラム酒の銘柄
- レモンハート
- マイヤーズ
- バカルディ
- キャプテンモルガン
- ロンサカパ
- ロンリコ
レモンハート
日本での人気が高い歴史のある銘柄のレモンハート。
一度生産が中止されていたことがありますが、現在はカナダで作られていて、世界中の認知度も高いラム酒です。
レモンハート ラムの特徴と代表的な商品!レモンハートラムの美味しい飲み方とはマイヤーズ
マイヤーズはジャマイカで作られているラム酒。
ダークラムが有名で最高級品と言われています。パティシエにも人気の銘柄です。
マイヤーズ ラムの特徴と代表的な商品!マイヤーズラムの美味しい飲み方とはバカルディ
バカルディは世界最大のラム酒メーカーです。
世界中のバーテンダーに愛されていて、なくてはならないお酒の一つになっているほどです。
バカルディ ラムの特徴と代表的な商品!バカルディラムの美味しい飲み方とはキャプテンモルガン
キャプテンモルガンは海賊のラベルが特徴的です。
甘い香りのスパイストラムが世界中で人気です。
キャプテンモルガン ラムの特徴と代表的な商品!キャプテンモルガンラムの美味しい飲み方とはロンサカパ
グアテマラ最大のラムメーカーであるロンサカパ。「最も美味しいラム酒」と言われているほどのプレミアムなラム酒の銘柄です。
ロンリコ
プエルトリコで設立されたロンリコ。
スペイン語で「豊かで美味しいラム」という意味を持っています。カリブを代表するラム酒メーカーです。
それぞれのメーカーで特徴があり、いろいろな種類のラム酒が販売されています。例えば、同じホワイトラムでも、銘柄、メーカーによって味も香りも異なります。
蒸留酒とは
穀物や果物を発酵させて作った醸造酒を、蒸留させて作られたのが蒸留酒です。ラム酒は蒸留酒です。
一般的なラム酒は、サトウキビを精製するときにできる「モラセス」を発酵させたものを蒸留した後、熟成させて作られます。
その他に蒸留酒には次のようなものがあります。
- ウイスキー
- ブランデー
- 焼酎
- ウォッカ
- ジン
- テキーラ
蒸留酒はアルコールと水の沸点の違いを利用しています。アルコールの沸点は78度なので、水よりも早く気化し始めます。
醸造酒を蒸留器で加熱して、その蒸気を集めてアルコールや香味成分を冷却して作られています。
ですので、凝縮されてアルコール度数が40~60度と高くなるのが特徴です。そして、蒸留の過程で糖分が除かれています。糖分を含まないので、蒸留酒は太りにくいとされているのです。
ラム酒の飲み方
ラム酒はいろいろなアレンジができることでも楽しまれています。スタンダードにロックやストレートだけでなく、カクテルとしても人気です。
また、ラムレーズンのように、ドライフルーツのラム酒漬けやケーキやカヌレのようなお菓子にも愛用されています。
いろいろな種類のラム酒から好みのものを見つけよう
ラム酒は香りの豊かさで人気が出てきているお酒。サトウキビが原料の蒸留酒です。
甘い香りとまろやかな口当たりなどから女性にも人気です。糖分を含まず太りにくいということからも注目されています。
種類や銘柄もたくさんあります。カクテルベースによく使用されるクセに少ないホワイトラムもあれば、しっかりと熟成されて深い味わいのダークラムまであります。
飲み方によっても銘柄によっても、香りや風味も変わります。いろいろとチャレンジしてみてはいかがでしょうか。