多くのご家庭で用いられ、一般的にもメジャー商品として扱われている海水塩。
特殊なカラー・個性を持つ岩塩や海外の湖塩を除いて、どれも同じと見られがちですが、海水塩一つとっても色んな種類・製法が存在しています。
もちろん商品によっては製法も特色も全く異なり、用途によって使い分けた方が、より美味しくいただくことが出来るのでおすすめ。
そこで、本記事では、日本・海外それぞれの海水塩のおすすめ商品(3つずつ)と、海水塩の製法や特色をご紹介していきます。
目次
日本が産地の海水塩のおすすめ商品まとめ
冒頭でもお話したように、海水塩も用途によって使い勝手が塩ごとに異なります。
食卓に向いている塩もあれば、入浴用に使いたい塩もあり、一概に、どれが良いか決めるのに迷ってしまいます。
では、どの海水塩を購入すれば良いのか悩んでいる皆さんに向けて、日本が産地のおすすめの海水塩を3つご紹介します。
伯方の塩
スーパーなどで販売されている食卓塩としては最もポピュラーで誰もが一度は耳にしたことのある塩の代表的商品「伯方の塩」。
おすすめの特徴
伯方の塩は、メキシコやオーストラリアの天日塩田塩を用いて作られていますが、一旦海水に浸して海水塩にした後、日本の工場で再製加工しています。
メキシコやオーストラリアの海水は、比較的不純物が少ない綺麗な海水で、その海水から作られた天日塩を用いている点が大きな特徴。
さらに伯方の塩は、不純物を取り除いた上で、日本の海水と織り交ぜ再加工しているため、ミネラルも豊富で、非常に美味しい塩として大人気。
また、他の再製加工された塩とは大きく異なり、別途にがりを加えて作るのではなく、海水に含まれたにがりをそのまま織り交ぜ作り上げています。
そのため、変な雑味も全く無く、味がまろやかで、適度なしょっぱさを与えてくれる食卓塩に最適な塩なので非常におすすめ。
一方、ミネラル成分が豊富であるため、入浴用にも用いることも可能。(入浴用におすすめの岩塩はこちら)
再製加工塩の中では、非常に広範囲の用途に用いる事のできる、オールラウンダーの塩なのです
商品のレビューに書いてある良い内容
- 塩を少量のお湯でといて、顔を軽くマッサージすると肌のザラつきもとれます
- 料理に使用するのはもちろんのこと、お風呂のときにも使っています。変なクセもなく使いやすいです。
- にぎりに少しまぶして食べたところ新米の味がひきたちとっても美味しい米だけのにぎりになりました。塩の質でこんなに味が変るものかとびっくりです。
以上が、主に好評価として書かれていたレビューの内容です。
やはり、伯方の塩の魅力は食卓・入浴と広範囲に使える使い勝手の良さにあります。
岩塩の一つであるヒマラヤ系のブラックソルトのように、硫黄成分が加わり、温泉に入っているかのような癒やしは与えてくれません。
ただし、入浴用に伯方の塩を使ったとしても、肌に優しく十分リラックスさせてくれる効果はあります。
どれか際立った効果が得られると言うよりは広く浅くというのが伯方の塩の大きな特徴…
そのため、際立った個性を持つ塩が苦手という方には非常におすすめです。
もちろん、際立った個性を持っていないとは言えど、そこは天然塩に限りなく近いと言われた再製加工塩。
実際にレビューに書かれているように、料理の味をレベルアップさせるだけでなく、お風呂で肌のざらつきを軽減出来たという話もありました。
そのことからも分かるように、効果や味の感じ方など個人差はありますが、あらゆる用途で十分魅力を感じられる海水塩と言えます。
そこは、先程も少し触れましたが、伯方の塩が、にがりを加えず、海水に含まれているにがり成分合して再製加工している点にあります。
一般的な海水塩は、にがり成分を別途天日塩に混合させて精製されています。
しかし、ミネラルを豊富に含ませ、限りなく天然塩に近い塩を手がけたいと、伯方の塩は、あえて海水を化合して再製加工しているのです。
その差が、大きく伯方の塩に現れ、多くの人から高い支持を得られています。
価格も1kgで317円と激安!!
これなら、躊躇すること無く普段遣い用として、様々な用途に使えますよね。
伯方の塩は、まさに海水塩の中のオールラウンダーです。
様々な用途にぜひ使ってみてくださいね。
海の塩
塩田と平釜を用いた伝統製法で長年商品歌詞続けてきた「海の塩」。
伯方の塩と同じく、海水塩を用いた塩商品として有名ですよね。
おすすめの特徴
黒潮が運ぶきれいな海塩だけを厳選して原料に用い、古くから用いられている技法で精製された料理用に最も適した海水塩です。
ちなみに、古くから用いられている技法とは、太陽と風を用いた天日干しと、平釜で蒸発させて作る技法です。
この2つの古くから用いられている技法をうまく融合させ、しょっぱさの中にほのかな甘さや旨味・コクを醸し出す、奥行きの深い塩を精製しています。
もちろん、伯方の塩同様、肌にも優しく、入浴用にもおすすめ。
商品のレビューに書いてある良い内容
- 塩といえばしょっぱいが常識だけど、これは甘みのある塩で、食卓塩と違って美味しい。
- 塩はいろんなミネラルの含まれる自然海塩が良いと聞いたので、購入して料理に使っていますが、料理が一段とおいしくなりました。
- 体にもいいので安心して使えます。天然の塩なので半身浴にも使っています。
レビューにもあるように、海の塩は天然塩なので、ミネラルも豊富で肌にも優しく入浴用(特に半身浴)に使うのも効果的。
しかし、価格は、240gで880円と若干高めなので、やはり、普段遣いとしては料理用に使う方が、コスパも良いです。
しょっぱさの中に甘さやコクが広がり、味がよりマイルドに整う天然塩なので、みなさんも、ぜひ一度試してみてくださいね。
ソルト・ファーム 通詞島の天日塩
全て手作業で手間ひまかけて、最高の天日塩を完成させ販売しているソルト・ファームの「通詞島の天日塩」。
商品名に天日塩という言葉を用いているだけあって、そのこだわりが、通詞島の天日塩から存分に伝わってきます。
おすすめの特徴
やはり、なんといっても最大の特徴は、極力加熱を最小限にとどめ、太陽と風の力を最大限に利用し、手間ひまかけながら自然に即した塩だということ。
自然の力を最大限に利用して作り上げた塩だからこそ、味が奥深く旨味が加わった美味しい海水塩として人気を得られているのです。
精製に時間(夏は3~4日、冬は20日間)をかけて作り上げているため、粒は若干大きく感じます。
ただ、その分、ステーキ肉の味付けに使ったり、汁物に使うとしっかりしょっぱさとほのかな甘味を感じさせてくれます。
商品のレビューに書いてある良い内容
- お祓いに使うよう勧められ購入。庭掃除の際に玄関前に撒いたり、調子が悪い時に、日本酒といっしょに風呂に入れて浸かると気分がよくなります。
- 自然な塩味。料理が美味しくなる気がします。かなり粗めの粒なので、主に汁物の味付けに使います。
レビューにも記載されていたように、粒は粗めなので、調理用というよりは、素材の味を引き立たせるために使うことをおすすめします。
岩塩を少し砕いて使用するイメージで使えば、きっと、通詞島の天日塩の特色・魅力を十二分に引き出せますよ。
ちなみに、天然塩には身を清め邪気を振り払うとも言われ、お清めに用いる方も多いです。
もちろん天然塩そのものに邪気を振り払う効果は無く、殺菌作用があることから、昔、そのように使われ言い伝えとして語り継がれていたのが本当の話。
ただ、天然塩に含まれるミネラル成分(マグネシウムやナトリウムなど…)が、身を清めてくれることは間違いありません。
また、疲労回復という観点からもミネラルは重要な成分で、精神的なリラックス効果も見込めるので、お清めとしての意味は大いにあるといえます。
このように、この海水塩は、天然塩として作り上げられた塩であるため、意外な使い方も可能な塩としておすすめです。
価格は、200gで1015円と高めですが、天然塩ということを考えると十分納得の価格です。
食卓・入浴用として用いるのはもちろん、炊事場の清掃用にも適しているので、ぜひ、一度使ってみてくださいね。
海外の海塩のおすすめ
先程は、日本が産地(一部原材料が海外からの輸入に頼っているものもありますが…)のおすすめの海水塩を3つご紹介しました。
しかし、海水塩は、何も、日本だけのものではありません。
近年は海外産の海水塩もたくさん出回っています。
では、今度は、海外の海水塩に注目し、中でもおすすめな3つの商品をご紹介します。
ゲランドの塩(海の果実)
フランス・ブルターニュ半島南部のゲランドの塩田にて、伝統的な製法(天日干しを用いて蒸発させる技法)で作り上げたゲランドの塩(海の果実)。
おすすめの特色
海水をまるごと結晶化させたという言い方がしっくりくる、このゲランドの塩は、粒は小粒ですが、素材の味をしっかり引き立たせてくれます。
しょっぱさもはっきり感じることが出来、ほのかな甘さ・まろやかさが、お吸い物やポトフのようなスープ系料理に相性抜群。
また、塩そのものに水分を含ませしっとりとした舌触りが食感を楽しませてくれます。
ゲランドの塩は、まさに料理用に使ってほしいフランス産の海水塩です。
商品のレビューに書いてある良い内容
- 肉や魚など、たんぱく質や脂質があるものに使用するとその効果が歴然
- 粒は少し大きめだけど美味しいです。主に料理全般に使っています。おにぎり最高!!
- 塩味が引き立つのに尖ってないのでなるほどと思う。
やはり、天然塩だからこそ、素材の味を引き立てると、人気を得られているのでしょうね。
レビューを見ても、肉や魚の素材を引き立たせてくれると評判で、シンプルな料理や汁物料理全般で味の違いがわかるのは、ゲランドの塩の最大の魅力。
唯一難点を言うならば、125gで1498円と価格が高いことのみ…
もちろん、フランスで時間を掛けて製法され、ミネラル成分がたっぷり溶け込んだ希少な天然塩だから、高額なのは仕方ありません。
その価格を出してまでも購入する価値は充分ある天然塩なので、ここぞというときにこそ、ぜひ、一度試してみてくださいね。
ベロ 海の塩
フランスのエーグ・モルトで精製された天然塩「ベロ 海の塩」。
ローマ時代から続く製法で作り上げた歴史を感じさせてくれる海水塩です。
おすすめの特徴
若干塩気が強くはっきりした味わいが感じられるため、少量でもパスタを茹でる時に使うと塩味が効いて、パスタソースに馴染みます。
また、原材料も地元フランスで調達しフランスで作られた天然塩なので、より安心して使うことが出来ます。
もちろん、ミネラルも含まれパスタ以外の料理にも相性抜群。
料理用としては超オススメの海水塩です。
商品のレビューに書いてある良い内容
- 昔ながらの製法で作られた海塩で、細粒で使いやすいです。
- 値段も安いし、パスタのゆで塩にと書いてあるので、その程度かと思うもしれませんが、料理に使ってもとても美味しいお塩です。
どんなに良い塩であっても、やはり普段遣いようとしては、高価なものは、なかなか手が出にくいですよね。
しかし、海の塩はコスパが最高!!
価格は、600g入っていてたったの617円と格安。
だからこそ、パスタを茹でるのにも躊躇なく使えると人気が高いのです。
海の塩は、普段遣いようとしても非常に重宝しますし、いろんな用途に試し使いしながら、自分だけの使い方を探すことも出来ます。
パスタはもちろん、サラダや肉料理にも合いますので、ぜひ一度試してみてくださいね。
南の極み
オーストラリアの海水から、18ヶ月も掛けて作り上げた、超希少な天然塩「南の極み」。
おすすめの特徴
オーストラリア有機栽培農家認定機関による査察を受け認められたプライス塩田で、南の極みは、自然の恵みを借り、時間を掛けて精製されています。
形状は、1mm小粒結晶に結晶化された海水塩で、水に溶けやすくサラサラした肌触り・食感が、使い心地を良くしてくれます。
味ははっきりしたしょっぱさとマイルドに感じさせてくれるほのかな甘さが特徴的で、天然塩ならではの素材の味を引き立たせるのに最適ない塩です。
もちろん、和洋中とどの料理も一段感美味しく感じさせてくれる塩なので、調理用・仕上げ用、いずれの使い方もおすすめ。
一方、水に溶けやすく肌に馴染む性質をもつ海塩水なので、入浴用としても効果的に使えます。
商品のレビューに書いてある良い内容
- 価格も安く、容器もつかいやすくて気に入ってます。
- サラサラで固まったことは一度もないです。
- 塩辛さが一本芯の通っている味なので、肉よりは焼き魚の振り塩として特におすすめ。
- 小粒でサラサラなので 溶けやすく 何にでも使えて便利で良かった。
素材の味を挽きたて肉料理にもおすすめの塩ですが、南の極みの特徴をさらに生かしていくなら、レビューにもあるように、焼き魚にふりかけるのが理想。
魚の香ばしさ・身の甘さ、そこにはっきり主張した南の極みの塩気が、見事にマッチし、最高の味わいを感じさせてくれます。
また、バジルやタイムなどのハーブと混ぜて、エスニック料理に使ってみるのもオススメ。
サラサラした粒子が、ハーブとうまく溶け込み、独特の風味・味わいを生みます。
詰まり、天然塩の良さを活かしながら、自分好みにアレンジもできるという応用性が聞く塩でもあるというわけ。
そして、さらに嬉しいのが、価格の安さ。
「本当にこの価格で採算が取れるの?」と疑問視したくなるほど、超激安。
価格は、500gも入っていてたったの178円。
ここまで安ければ、多少失敗しようがお構いなしに、色んな使い方を実験することだって出来ますよね。
まさに、海外産天然塩のオールラウンダータイプ。
普段用に入れ替えるだけで、日常が一変しますよ。
普段遣いの食卓塩では物足りないと感じている人は、一度、「南の極み」を試してみてくださいね。
海塩とは?海水塩の作り方
海塩といっても、作り方はいくつか存在します。
単純に天日干しして海水塩の水分を蒸発させる製法もあれば、平釜を用いて、海水の水分を蒸発させて作る方法などさまざま…
では、具体的にどんな手法で、海水塩を作っているのか、海水から作られる精製塩も含め、その主な製法を4つご紹介します。
4つの製法
- 天日干しによる製法
- 平釜製法
- 精製塩
- 再精製加工
天日干しによる製法
海水の水を蒸発させるのに、加熱処理などを一切行わず、天日だけを使って蒸発させ作る製法が、天日塩と呼ばれる塩の精製方法です。
主な工程は以下の通り…
まず、海水を汲み上げ専用のトレーに入れて、ビニールハウスに移しておきます。
そして、天日によってトレー内の海水を蒸発させ塩の結晶を作り上げていくだけ…
トレー1枚につき1日以上日数がかかり、また、雨や湿気の多い地方ではなかなか作れないだけに、天日干しで作られた塩は非常に貴重です。
精製塩とは大きく異なり、海水から塩に変わる過程でカルシウム・ナトリウム・マグネシウムという順番に時間を掛けて結晶化されるのが大きな特徴。
そして、時間を掛けて精製されていくため、粒子が細かく天然のミネラルが豊富に詰まっています。
非常に希少だけど、健康的で旨味を感じながら美味しくいただけるのは非常にありがたいですね。
同じ海塩を使うなら、少し贅沢気分を味わえる希少な天然塩を使ってみるのもおすすめですよ。
平釜製法
基本的な考えは天日干し製法と同じで、汲んだ海塩を蒸発させ塩の結晶を作る製法に変わりありません。
ただ、天日干し製法と大きく異なる点として、平釜に汲み入れた海塩に加熱処理を施し、蒸発させる点が大きく異なります。
天日干しを短縮化させた印象を受ける製法ですが、ただ加熱による蒸発というだけではなく、この製法により塩そのものが柔らかく出来上がります。
天日干しで作られた塩とは異なり水に溶けやすくしっとりした舌触りを生む平釜塩は、梅干しのように、塩漬けによる殺菌効果を求める調理法にピッタリ。
普段遣い用としても、すごく重宝する塩なので、ぜひ一度試してみてくださいね。
精製塩
精製塩は天然塩と大きく異なり、人工的にイオン精製させて塩化ナトリウムを精製する方法を言います。
基本的にイオン膜という化学物質を使って塩化ナトリウム99%の塩を作り出し、ミネラル成分を除去して創り上げています。
そのため、あくまでしょっぱさを感じるための塩といっても過言ではなく、あまり多く摂取しすぎると塩分過多による健康を阻害することも…
ミネラル成分が含まれるナトリウムは、確かに必要です。
しかしイオン化合物を用いて精製された精製塩は、ほぼ塩化ナトリウムでミネラルが含まれていません。
そのため、あまり摂取しすぎると、塩分のとりすぎとなってしまうのです。
とはいえ、他の海塩以上に製法が簡単であるため、格安で購入できる点では魅力的。
あくまで、塩にこだわりのない方が普段遣いの食塩塩として用いるための塩として扱われるケースが大半ですね。
再精製加工
主に、天日塩ににがりと水を混ぜることで、濃い海水を作り上げ、その海水を平釜で熱し蒸発させます。
そして、完全に蒸発させ結晶化させる塩の製法を、再精製加工と言います。
精製塩とは異なり、ミネラルはにがり成分を化合することでちゃんと含まれた塩として精製されますが、天然塩とは別物…
ただし、伯方の塩のように、にがりを加えず海水を天日塩に混ぜて濃度の高い海水にした後に平釜で蒸発させる製法も存在します。
先程、伯方の塩をご紹介した際にも触れましたが、海水を使って再製加工していることで、限りなく天然塩に近いとも言われています。
もちろん、このようなケースはレアケース。
健康的にいただけるという点では、従来の天日塩・平釜塩と何一つ変わりません。
ただ、より希少性や味の深み・舌触りが違います。
手間を掛けて作られた天日塩は、その分希少性も高く価格も高いです。
当然、ミネラルが豊富で味に深みを与えてくれます。
一方、精製塩は、手間もコストも最小限に抑えて作る製法として、非常に重宝されています。
そのため価格は安く普段用に適しています。
正直なところ、塩といっても、種類や製法・産地はさまざまです。
当然特色だって塩によって変わります。
本記事では、海水塩に焦点を絞ってご紹介しましたので、ぜひ、それを参考に、用途別に海水塩を使い分けて、塩を美味しく頂く参考としてくださいね。