緑茶のカフェイン量は安全?子どもや妊婦が飲んで大丈夫か調べた

緑茶のカフェイン量は安全?子どもや妊婦が飲んで大丈夫か調べた-min

皆さんは、『妊婦や子供はカフェインを控えるべき』という話を耳にしたことはありませんか?

実は、いろんな所でこのような話はよく耳にしますが、実際のところ何故ダメなのかわからないという人は多いです。

また、意外なことに、緑茶にもカフェインは含まれ、飲んでも大丈夫かどうか不安という妊婦さんも…

そこで、本記事では、妊婦や幼児(子供)がカフェインを控えるべき理由や、緑茶や他の飲み物に含まれるカフェイン量を調査しまとめてみました。

緑茶に含まれるカフェイン量

アンチエイジング・リラックスなど、様々な効果が得られる緑茶は、気分転換する意味でも非常におすすめの飲み物です。

しかし、妊婦や子供が飲みすぎると、カフェインを多く摂取してしまうことになり、結果、悪影響を及ぼす恐れもあるので注意が必要!

では、具体的に緑茶に含まれるカフェイン量とはいくつなのでしょうか?

緑茶に含まれるカフェイン量

緑茶は、主に、『カメリアシネンシス』という椿の葉を摘み取り不発酵状態でお茶にしたものの総称です。

なので、玉露、抹茶、煎茶、焙じ茶も、実は緑茶を細分化した種類のお茶に過ぎません。

なお、それぞれのカフェイン量が以下の通り。

種類 100mlあたりの量 平均的なお茶一杯あたりの量
煎茶 20mg 150ml/1杯 カフェイン量:30mg
焙じ茶 20mg 150ml/1杯 カフェイン量:30mg
番茶 10mg 150ml/1杯 カフェイン量:15mg
玉露 160mg 60ml/1杯 カフェイン量:96mg
抹茶 64mg 100ml/1杯 カフェイン量:64mg

※基準となる数値は、100mlあたりで換算

飲み過ぎは注意が必要だが、適量なら妊婦・子供が緑茶を飲んでも大丈夫!

以上が、緑茶と言われる代表的な種類のお茶のカフェイン量です。

基本的には、飲みすぎない限り、緑茶を飲んでもそんなに問題にはなりません。

ただし、玉露に関してはカフェイン量も多く、妊婦や幼い子供は控えたほうが賢明。

できれば、比較的カフェイン量は少ない番茶がおすすめで、少量であれば、飲んでもそれほど問題はありませんよ。

1日に摂ってもいいカフェイン摂取量とは

後ほど、妊婦や子供がカフェインを避けたほうが良い理由はご紹介していきますが、完全に抑えるということは、さすがにできませんよね。

また、避けたほうが良いとはいえ、全くNGというわけではなく、適量ならカフェインを摂取しても問題はありません。

では、具体的に1日に摂取していいカフェインの摂取量はいくつなのでしょうか?

妊婦が摂取していい1日のカフェイン量

実は、日本国内では、妊婦が摂取していいカフェイン量は具体的に明示されていません。

一応、コーヒーなら1日1杯~2杯を目安にすると良いという産婦人科の話もありますが、あくまで目安に過ぎません。

それにしても、あらゆるサイトでカフェインが良くないと言っておきながら、具体的な許容量を明示しないとは、なんとも無責任な話ですよね。

そこで、海外で明示されているカフェイン量を以下にまとめておきます。

各国の基準 摂取量
世界保健機関(WHO) 日本同様具体的な分量は明示無し。コーヒーの場合、1日あたり3~4杯までが目安
英国食品基準庁 1日あたり200mg以内
カナダ保健省 1日あたり最大300mg以内
オーストリア保健・食品安全局 1日あたり300mg以内
韓国食品医薬品安全庁(KFDA) 1日あたり300mg以内

以上が、海外が基準とする、妊婦が1日あたりに摂取して構わないカフェイン量です。

意外と摂取できるカフェイン量

多少各地域でばらつきはありますが、一番厳しく見ている英国食品基準庁が定める200mgを基準として考えれば大丈夫。

ちなみに、先程ご紹介した緑茶(番茶:100mlあたり10mg)で計算すると、1000ml=1Lなので、2Lまで飲んでも大丈夫という計算になります。

さすがに、それ以上1日にガバ飲みする人は、別の飲み物に変えたほうが良いですが、1日200mg以内でも、それなりに摂取は可能です。

多少控える工夫は必要ですが、あまり難しく考えてストレスを抱え込まずに、200mgまでなら大丈夫と考え、少しカフェインを控える工夫を心がけましょう。

幼児(子供)が摂取していい1日あたりのカフェイン量

カフェインは、妊婦だけに限らず、成長過程中の幼児(子供)も摂りすぎは注意が必要です。

幼児の場合、1日あたりに摂取していいカフェイン量は、体重1kgで2.5mgまでと言われています。

例えば、1歳児の女の子の平均体重だと、大体11kgなので、11×2.5=27.5mg。

つまり、1日あたり27.5mgまでならカフェインを摂取してOKということになります。

もちろん、これは1歳児の女の子の平均体重で計算しているだけなので、実際には、子どもたちの体重に照らし合わせて計算して見てくださいね。

他の飲み物と比べた緑茶のカフェイン量

一般的にカフェインが含まれる飲み物を想像すると、多くは、コーヒーが連想されます。

しかし、コーヒーだけにカフェインが含まれているわけではありません。

紅茶やココアなど、その他にもカフェインが含まれている飲み物はたくさんあります。

では、具体的に、他の飲み物が緑茶と比較してどれくらいカフェインが含まれているのか、早速、見ていきましょう。

ココア

ココアのカフェイン量は、粉末100gあたり200mgカフェインが含まれています。

しかし、この数値は、あくまで粉末上のものであり、他の飲料のように液体100mlとなると全く量が変わります。

実際には、お湯に溶かして飲むことが大半なので、100mlあたりのカフェイン量を計算すると大体6mg。

なお、緑茶の中でも一番カフェイン量が低い番茶と比較しても100mlあたり4mgも少ない計算になるので、意外とココアは安心して飲めますよ。

コーヒー

コーヒー100mlあたりのカフェイン量は60mg、1杯150ml換算では90mg含まれています。

このカフェイン量は、番茶の6倍あり、また、同じ緑茶の一種である玉露と(100mlあたり160mg、(60ml/1杯換算で96mg)なので、1杯で計算すると大差ありません。

やはりコーヒーは、結構カフェインが多いと見ていいでしょうし、特に妊婦や幼い子供は控えたほうが賢明。

もちろん、絶対ダメというわけではありませんが、1日1杯まで(多くても2杯以内)に留めるように心がけましょう。

紅茶

緑茶にカフェインが含まれているように、緑茶にもカフェインは含まれています。

100mlあたり30mg、1杯150ml換算で45mgなので、緑茶と比較すると煎茶、焙じ茶の20mg(1杯あたり30mg)に近い量と言えますね。

1杯45mgなら、極端に多いわけではないので、少しなら飲んでも大丈夫ですよ。

コーラ(ペプシ)

夏場は特にシュワシュワした炭酸が効いて美味しく感じるコーラですが、実は、このコーラにもカフェインが含まれています。

ペプシコーラー500ml(ペットボトル)あたりに含まれているカフェイン量は50ml。

なので、計算すると100mlあたり10mgのカフェインが含まれていることになりますね。

緑茶と比較すると、番茶も100mlあたり10mgなので、比較的カフェイン量は少なめといえます。

ただ、コーラの場合は、カフェイン以外にも糖分が高く飲み過ぎは注意が必要!

太り過ぎになり、体調が崩れることも考えられるので、くれぐれも飲みすぎないように心がけましょうね。

その他のお茶類のカフェイン量はいくつ?

ここまでは、主な飲み物のカフェイン量をご紹介してきましたが、特にお茶に関しては、麦茶、烏龍茶など多種存在しています。

なので、ここで、その他のお茶のカフェイン量も一覧としてご紹介しておきますね。

種類 100mlあたりの量 平均的なお茶一杯あたりの量
玄米茶 10mg 150ml/1杯 カフェイン量:15mg
烏龍茶 20mg 150ml/1杯 カフェイン量:30mg
かまいり茶 10mg 150ml/1杯 カフェイン量:15mg
麦茶・はと麦茶 カフェイン無し カフェイン無し

※基準となる数値は100mlで換算

以上が主な他のお茶に含まれているカフェイン量です。

中でも秀逸なのが、麦茶・はと麦茶で、カフェインが全く入っていないのですから、多少飲みすぎても問題は一切ありません。

もしお茶を飲むなら、麦茶にすると、あまりカフェイン量に悩まされずに済みますよ。

基本的に妊婦と幼児(子供)は、極力カフェインを控えたほうが好ましいことに変わりありません。

ぜひ、この機会に、飲み物に含まれているカフェイン量を把握し、健康管理に務めましょうね。

カフェインが子どもや妊婦にダメな理由

コーヒーやお茶に多く含まれ、眠気防止には効果を発揮するカフェインですが、よく子供や妊婦にダメという話を耳にします。

では、何故、カフェインが、子供や妊婦にダメなのか、その原因を4つご紹介します。

1.血液を通じて栄養のやり取りが出来づらくなるから

妊婦や幼い子供は、どうしても、普通の大人と比較して代謝が悪く、一度摂取したカフェインをなかなか処理しきれません。

特に妊娠初期ともなると、何かと体調を崩しやすく、カフェインが抜けきらずに興奮状態が続いてしまい、より体調を崩してしまうことも…

胎盤を通じて胎児に送る血液の量が減少してしまう!

さらに、妊娠初期の場合は、体内の血液の量が低下してしまい、胎盤を作る際に支障をきたしてしまうため、胎児に栄養が行き届かなくなる恐れがあります。

そのため、胎児(赤ちゃん)が低酸素状態に陥り、結果、流産してしまうなんてことも起こりかねません。

また、出産できたとしても、発達障害や低体重の子供が生まれてきてしまうリスクが高まります。

もちろん、必ずというわけではありませんが、リスクが高まるというだけでも、カフェインを摂ることは、母子にとって危険なことなのです。

2.眠りの質が低下し、体調不良を起こしやすくしてしまうから

先程も、妊婦や幼児は代謝が低くカフェインが残りやすいとお話しました。

当然カフェインが処理されずに体内に残ったままになると、当然、覚醒作用が働き続け、質の良い眠りが得られなくなる可能性も高まります。

質の良い眠りが得られないとどうなるの?

質の良い眠りが得られなくなると、妊婦の場合は、中枢神経が阻害され精神的不安定に陥りやすくなったり、体調を崩しやすくなってしまいます。

そのため、胎盤を通じて、胎児に栄養をしっかり与えられなくなる恐れが生じてしまうのです。

また、カフェインを摂りすぎることで、胎児がカフェインを摂取してしまい、障害をきたしてしまうことも…

さらに、出産後も、母乳を通じて子供にカフェインが摂取され消化しきれずに、成長の妨げになるなんてこともあるので注意が必要です。

特に幼い子供は、カフェインが残りすぎ、覚醒作用が続いてしまうことで、不眠症に陥り成長出来なくなる可能性が高まります。

そのため、妊婦・子供のカフェインの摂取はダメと言われているのです。

3.利尿作用が働きすぎて脱水症状になるリスクが高まるから

これは、特に幼い子供に対して言えることなのですが、実は、カフェインを摂取しすぎると脱水症状を引き起こす場合があります。

そもそも、カフェインには利尿を促す作用があります。

通常、大人が飲む分には、利尿作用が働いても、カフェインが体内で分解され適度に輩出されるので、問題はありません。

しかし、幼い子供はなかなか体内でカフェインが消化されないため、大人以上に利尿作用が働きやすくなってしまうのです。

そのため、利尿作用の働きによって、子供が脱水症状になってしまうというわけ。

最悪の場合は、死につながることもあるので、子供や妊婦はカフェインの摂りすぎに注意が必要なのです。

4.必要な栄養素が流れてしまうリスクが高まる

人体を形成するには、何かと必要な栄養素がありますよね。

例えば、骨を作るにはカルシウムが、タンパク質と結合し、体内に酸素を送り込むのに不調な鉄分など、挙げだしたらきりがありません。

そんな、人体を形成するのに必要な栄養素が、カフェインの摂りすぎにより、体外に流れやすくなってしまうのです。

せっかく食事で得た栄養素が流れてしまったら、大事な成長期の妨げになってしまいますよね。

妊娠したときから、胎盤を形成するとともに、子供に栄養が送られていくので、カフェインも当然吸収されてしまいます。

特にカルシウムや鉄分は、重要な栄養素ですし、無駄にカフェインで流してしまわないよう、摂りすぎに注意するよう心がけましょう。

カフェインは、妊婦・幼児(子供)の大敵!

以上が、妊婦と幼児(子供)にカフェインはダメと言われている主な理由です。

どうしてもカフェインは、代謝の悪い妊婦や幼児(子供)には危険と言わざるを得ません。

少量ならまだ問題ありませんが、とりすぎだと危険なので、くれぐれも摂りすぎには注意しましょう。

子どもや妊婦が飲んでもいい緑茶に変わる飲み物はある?

冒頭からお話したとおり、カフェインは、妊婦や子供にとって何かと悪影響を及ぼすリスクが高まるので、摂取しないほうが好ましいです。

とはいえ、お茶、コーヒー、チョコなど、あらゆるものにカフェインは含まれています。

なので、全てを避けて生活するのは、ストレスも溜まりやすく、それも問題!

では、極力カフェインを避けて生活していくにはどうすれば良いのでしょうか?

先程もご紹介した通り、麦茶・はと麦茶はカフェインが含まれていないので、多少飲みすぎても全く問題ありません。

特に夏の時期には麦茶が美味しく感じますし、緑茶に変わる飲み物としておすすめですよ。

ぜひ、お茶を麦茶・はと麦茶に変えてみてくださいね。

妊婦・子供は賢く水分補給し、カフェインの摂りすぎには気をつけよう!(まとめ)

特に夏場の暑い時期は何かと喉も乾きやすく、水分補給は欠かせません。

しかし、多くの飲み物にはカフェインが含まれ、妊婦や幼児(子供)が摂取しすぎると、健康上非常に危険なことも多く、注意が必要。

特に妊婦は、自身のことだけでなく、生まれてくる子供のことにも影響を及ぼすので極力カフェインは控えてください。

本記事では、主な飲み物に含まれているカフェイン量をご紹介しました。

ぜひ、一つの参考としながら、賢くカフェインを控えた水分補給を心がけましょう。