お酒を飲みすぎてしまう人は、今の時代少なくありませんが、そういう人の中には、肝臓にかなり負担をかけてしまっている人も少なくありません。
医師からお酒を控えるように言われても、どうしても控えられない事情もあるでしょうし、なかなか大変…
とはいえ、肝臓は体にとって重要な臓器ですから、あまり負荷をかけたくはありませんよね。
では、少しでも肝臓を労るにはどんな食べ物を食べれば効果的なのでしょうか。
また、肝臓の働きそのものを知らないという人も結構多いので、おすすめの食べ物や効果・レシピと併せてご紹介していきます。
目次
肝臓の働きや、肝臓に良い栄養素を知ろう!
肝臓にいい食べ物をご紹介していく前に、肝臓とはどういう働きをする臓器なのか、また肝臓の働きを助ける栄養素がなんなのかを知る必要があります。
まずは、肝臓の基本的な働きと、肝臓に良い栄養素をご紹介していきますね。
肝臓の基本的な働き
肝臓は、主に、代謝、アルコール・老廃物の解毒・分解、胆汁の生成、タンパク質・ビタミンの合成・血液の貯蔵といった働きをしています。
では更に具体的にどのように人体と関わりを持ち働き続けているのか、それぞれの働きを見ていきましょう。
代謝
食べ物を摂取すると、体内では、肝臓を使って糖・タンパク質・脂肪を抽出し、必要に応じて、エネルギーの貯蔵・供給を行っています。
このエネルギーの貯蔵・供給が行われているからこそ、カロリーを消費しながら日々生活し、足らなくなったときのためにまた貯蔵しているわけです。
もし、この機能がなければ、常に食べ物を摂取しないと動けなくなってしまう体になります。
それでは、なにかあって食べられない状況に陥った時、すぐ空腹になり餓死してしまいます。
たとえ多少の空腹期間があっても問題が無いのは、肝臓による代謝の働きのおかげなのです。
解毒・分解
アルコールや薬、老廃物などの中には、一部有害物質として人体に悪影響を及ぼす物質も含まれています。
その中の一つが、アルコールを摂取した時に発生するアセトアルデヒド。
肝臓では、アセトアルデヒドを始めとする有害物質を分解し無害化させる働きを持っています。
この働きがあるからこそ、分解できる許容量までなら、毒素を無害化してくれるため、二日酔いにならずに済んでいるのです。
しかし、許容量をオーバーしてしまうと、それ以上分解し無毒化できず、アセトアルデヒドが残ったままとなり、二日酔いとなってしまいます。
サプリを飲んで肝機能を高め、二日酔いを緩和させているのも、肝機能を高めることで、アセトアルデヒドの分解・解毒能力の向上させるのが目的…
結局、人体にとって有害物質を解毒・分解してくれる肝臓の働きのおかげで、私達は健康に生きられているわけです。
胆汁の生成
人体にとっての有害物質(老廃物・アルコールなど…)を肝臓で解毒・分解し、無害化できたとしても、物質そのものはいつまでも残っていますよね。
このままでは、体の中がパンパンに膨れ上がってしまいます。
そこで、尿や便などとして一緒に排出させるための、黄褐色でアルカリ性の液体(胆汁)を肝臓で生成し、一緒に排出させる働きをしています。
また、この胆汁は、脂肪の乳化やタンパク質の分解を促進する働きがあります。
胆汁とは、ただ老廃物を排出させるだけでなく、タンパク質を分解していく中でも必要とされる分泌物であり、その分泌物を出しているのが肝臓なのです。
タンパク質・ビタミンの合成
人は、何かしら傷を受けて出血しても、ちょっと時間が経てば止血することが多いですよね。
もちろん傷の状態にもよりますが、全く血が止まらず出血多量で死ぬということは、よほど深刻な傷でない限り、普通に起こる話ではありません。
それは、肝臓でタンパク質が合成される際に、血を凝固させる物質が生成されその動きによって、傷ができてもすぐに血を止めてくれるのです。
もし、この機能がなければ、ただのちょっとした切り傷でさえ出血が止まらないなんて事態が起こりかねません。
その他、ビタミンDのように、肝臓や腎臓で、活性化ビタミンDにカルシウム吸収促進作用をもたらす働きをすることも…
このように、タンパク質やビタミンの合成を行い、体の機能を働かせるのに役立つ働きを肝臓が行っているのです。
血液の貯蔵
人は、人体の約13分の1の血液が流れていると言われています。
血液は、免疫効果、体温維持、栄養素の運搬など、様々な機能をもたらし、私達の生命を維持するのに欠かせない物質です。
したがって、何らかの傷を負い出血をしたら、また血をどこから作るなり増やすなりしないと、血液が足らなくなり生命が危ぶまれてしまいます。
しかし、実際のところ、多少傷を負った程度で、出血多量による死亡ということはまずありえませんよね。
実は、肝臓で血液の貯蔵を行い、万が一血液が足らなくなった時に補填してくれる働きをしてくれているのです。
もちろん、骨髄から血は作られますし、簡単に固結することはありませんが、より確かに血液量が回復するように、肝臓でも貯蔵しているわけです。
肝臓は人体にとって重要な機能を持つ臓器
以上、簡単ではありますが、5つ肝臓の機能をご紹介しました。
いずれも人体を機能させるために、非常に重要な役割で、肝臓は、症状が出にくく『沈黙の臓器』と呼ばれながらも、替えの効かない重要な臓器なのです。
なので、あまりに酷使して脂肪肝や肝硬変になってしまうと、非常に危険になる場合もアルので、飲み過ぎは注意が必要です。
もちろん、大人の付き合いで、お酒の場から逃げられないなんてこともありますので、肝臓にいい食べ物も摂取するようにしましょうね。
※肝臓の機能に関しては、肝炎ウイルス十話というサイトを参考にご紹介しています。詳しくは下記URLを参照してみてくださいね
http://www.tokumen.co.jp/column/kanzo1/01.html
肝臓に良い食べ物
肝臓がいかに大切な臓器なのか分かったところで、続いては肝臓に良いとされる食べ物をご紹介していきますね。
椎茸(しいたけ)
しいたけは、コレステロールや血圧を低下させたり、骨の発育促進を助けたりする栄養素いっぱいの食材です。
もちろん肝障害抑制作用にも良いとされていて、肝障害の指標となるGOT・GPTの2種類の酵素の活性化が3分の1まで低下したという報告もあります。
もちろん、しいたけを食べただけで、すぐさま肝臓が良くなるというわけではありませんが、予防という意味合いで食べると非常に役立ちます。
また、食用きのこから摂取される『レンチナン』という成分は、抗がん剤物質にも使われているので、肝臓をいたわりつつ肝臓がん予防にも効果てきめん。
非常におすすめの食材なので、是非、レシピに取り入れてみてくださいね。
http://www.nittokusin.jp/kinoko/contents/health/kinoko_file/shiitake/shiitake.html
もやし
もやしは価格も安く栄養素があまり無いように見えがちですが、実はとんでもなく栄養素を含んだ食材なんです。
カルシウム、カリウム、葉酸、ビタミンB1、B2、ビタミンC、食物繊維、アスパラギン酸など、色んな種類の栄養素が含まれています。
その中でも、ビタミンB1、B2は、肝機能を正常化にしてくれる働きを持っていて、お酒を飲みすぎて正常値から外れたときには役立ちます。
また、脂肪肝として肝臓の周りについた脂肪を取り除いてくれたり、二日酔い予防に効果をもたらし、植物性タンパク質は、肝臓を元気にしてくれます。
このように肝臓を労ってくれる食材なので、非常におすすめですよ。
http://www.moyashi.or.jp/committee/function.html
みそ
味噌ももやし同様、大豆から出来る食材です。
そのため、味噌を食べても肝臓を労るとして推奨されています。
また、大豆を発酵させて味噌にすることで、『コリン』という成分が生成されるため、アルコールの蓄積を防いでくれる効果が期待されます。
肝臓をいたわり、二日酔い予防に効果をもたらしてくれるので、味噌は非常におすすめな食材なのです。
ごま
ごまは、何かと栄養のある食べ物として、良く健康番組で取り上げられていますよね。
なので、きっとごまに含まれる『セサミン』という物質の名くらいは聞いた人も少なからずいるはず…
さて、この『セサミン』ですが、肝臓で抗酸化物質に変化し、活性酸素を取り除いてくれる効果が期待されます。
そもそも活性酸素が肝臓の中でたまっていると、肝臓に炎症を引き起こし、最悪、悪性腫瘍になるなんてこともあるので、放置しておくと非常に危険。
セサミンは、この活性酸素を取り除いてくれる効果が期待され、セサミンが多く含まれるごまは、肝臓に良い食べ物と言われています。
また悪玉コレステロールを退治してくれる効果があるので、ぜひ積極的に取り入れ食べるようにしましょうね。
http://www.manten-jp.com/sesame/kenkou.html
http://www.shaho-net.co.jp/healthup3/autumn.html
しじみ
しじみが肝臓に良いと言われているのは、ズバリ、しじみに多く含まれている『オルニチン』が多大な効果をもたらしてくれるから他ありません。
では、オルニチンとはどんな効果のある栄養素なのか、さらに詳しく見ていきましょう。
解毒機能のサポート
オルニチンは、肝臓が持つ解毒機能をサポートする機能があります。
そもそも、肝臓には本来、オルニチン回路といって、尿素と共に、アンモニアやアセトアルデヒドなどの有害物質を解毒化して無害にする働きがあります。
しかし、肝臓がアルコール摂取により弱ってしまうと、その機能が低下するためお酒も残ってしまいます。
だから二日酔いが引き起こされてしまうのです。
オルニチンは、その名の通り、肝臓の中で周期的にシトルリンやアルギニンに変化し、アンモニアやアセトアルデヒドなどの毒素を無害化してくれます。
まさに、肝臓の機能の一つである分解/解毒機能を、完全にサポートしてくれているというわけ。
だから、肝臓を労るという意味合いにおいて、しじみは実に素晴らしい食べ物で、サプリにも使われているのです。
疲労回復効果
だんだん年齢を重ねると疲れが取れにくくなるということありませんか。
その理由の一つには、肝臓そのものの機能が低下していることも挙げられます。肝臓は、代謝を促しエネルギーの分配・供給も行う臓器です。
そのため、本来ならば、肝臓によってエネルギー供給され、疲労が回復されるはずなのに、なかなか疲労が取れないなんて事も起こります。
もちろんそれだけが原因ではありませんが、肝臓が影響していることも中にはあるのです。
そこで、オルニチンが、肝臓の代わりとなって、疲労回復効果をもたらしてくれるので、多く含まれているしじみは非常におすすめ。
http://cp.glico.jp/powerpro/amino-acid/entry18/
ウコン
ウコンは、ショウガ科の多年草で、英語ではターメリックとも呼ばれています。
根茎の根茎を粉末状にすることで、あの独特な黄色い形状が出来上がり、カレーライスのスパイスとしても用いられています。
元々肝臓の機能向上効果を持っていますが、特にウコンに含まれるクルクミンが、胆汁の分泌を促進させ、肝機能そのものの機能を向上してくれます。
ただし、刺激が強いため、副作用があり、あまり食べすぎてしまうと、逆に肝臓を悪くしてしまう恐れもあるので注意が必要。
しっかり摂取する量を間違えなければ、食欲増進、血中コレステロール、中性脂肪を低下させるなど、効果が期待できる側面のありおすすめ。
もし適量がわからなければ、サプリで賄うなんてことも可能ですし、少し注意は必要ですが、肝臓にいい食べ物の一つであることは覚えておきましょう。
https://www.nipro.co.jp/sukoyakanet/31/
さて、このように、肝臓にいい食べ物はたくさん存在しています。
ぜひ、しいたけ・もやし・味噌・ごま・しじみ・ウコンといった食材をバランスよく摂取し、肝臓を労るよう心がけてくださいね。
肝臓に良い食べものをどのように取り入れたら良いの?
先程もお話したように、しいたけ、ごま、味噌、もやし、しじみ、ウコンが、肝臓にいい食べ物であることは紛れもない事実です。
でも、いざ食べるとなると、どのようにレシピに加えれいいのか分からないなんて人もいますよね。
なので、簡単にレシピも、併せてご紹介します。
もやし・味噌・ごまを使ったレシピ
もやしって単体の味がほとんど無いから、どんな味にも染まりやすいですよね。
そんなもやしとナス・ピーマンを併せて炒め、胡麻味噌を加え、じっくりとろみが付くまで煮込んだ超簡単お手軽最強レシピです。
ほとんど大した工程を踏むこと無く、超簡単に作れるのに、肝臓に良い食べ物の中の『もやし』、『ごま』、『味噌』が摂取できるのは実に嬉しい!
参考にさせていただいたレシピには、蒸し焼きの工程が入っていますが、そのへんはアレンジを利かせてシンプルに炒め・煮込みに変化させてもOK。
非常に簡単に作れるので、ぜひ一度試してみてくださいね。
https://cookpad.com/recipe/5442387
しじみのスンドゥブ
スンドゥブとは、元々は韓国料理で、豆腐とキムチのタレと卵で作るシンプルな汁物料理です。
そんなスンドゥブにしじみやしいたけ、豚バラ肉など具材を豪華にしたものが、このレシピのアレンジレシピ
しじみを料理する時に、砂を抜くのが面倒ですが、その手間さえ怠らなければ、しじみとしいたけを具材に入れて、汁物として食べることができます。
ただ、せっかくなら、キムチのもとと味噌をまぜて、辛味噌スープに変えてみたり、ウコンを加えてカレー風にしてみるのもありです。
辛味噌スープなら、ごまを入れてみても良しと、自在なアレンジが可能なレシピなので、ぜひ、自分流のアレンジで試してみてくださいね。
https://cookpad.com/recipe/5411448
炊飯器でターメリックライス
ウコン(ターメリック)の粉末だけあっても、他にスパイスがあるわけでもなく、ウコン単体では料理に使いづらいですよね。
しかし、ネット上でレシピを探してみると、ものすごくおすすめのレシピが見つかりました。
そのレシピが、炊飯器で炊くターメリックライスです。
材料は、米2合に、コンソメ小さじ1杯、無塩バター10ḡ、ターメリック(ウコン)粉末小さじ1杯、ローリエ1枚を用意。
あとは、いつもどおり、お米をかして、そこに他の材料を入れ、炊飯器のスイッチを押したら、後はほったらかしでOK。
いざご飯ができあがり、炊飯器の蓋を開けて、ローリエを取り出し、ご飯を混ぜてあげたら、完成です。
たったこれだけでの工夫で、ウコンが上手に摂取できるので、ぜひ試してみてくださいね。
ただし、ウコンは肝臓に刺激を与える食べ物でもあるので、摂取し過ぎに注意がいつようです。
なので、多く摂取しすぎないように気をつけましょう。
また、慢性的に肝臓が悪い人にはウコンはおすすめできません。
余計に肝臓に負担をかけてしまうだけなので、そういう人は、ウコンを摂取しないようにしてくださいね。
肝臓を守る上で、肝臓の働きや良い食べ物を知ることは大切(まとめ)
これまで、肝臓の主な働きや、食べると肝臓に良いとされる食べ物やレシピをご紹介してきました。
肝臓自体、代謝や胆汁の生成、アルコール・老廃物の分解・解毒を始めとする様々な働きがあり、人体にとって非常に重要な臓器です。
そんな臓器である肝臓を労る食べ物の中には、オルニチン、クルクミン、コリン、ビタミンB群などの成分が、肝機能の向上に効果をもたらします。
こういった成分が含まれる食べ物を食べることは肝臓にとてもいいので、今回紹介したレシピも活用し、しっかり摂取しましょう。
そして、夜の付き合いなどでお酒を飲む際に脂肪肝になってしまわないように、今のうちからしっかり予防に勤めるようにしておきましょうね。