脳卒中や心筋梗塞などの重い病気にかかる原因の一つとも言われている高血圧。
この高血圧を引き起こしてしまう人の多くは、塩分のとりすぎであるとも言われています。
もちろん、塩分のとりすぎだけが原因というわけではありませんが、健康を阻害していることは一つの事実。
では、具体的に、塩分は、一日何グラムまで摂取するのが好ましいのでしょうか。
本記事では、1日の塩分摂取量の目安や、減塩が必要な理由・塩分のとりすぎによってかかる病気、そして、おすすめの減塩塩も併せてご紹介します。
ぜひ減塩による健康管理の参考にしてみてくださいね。
目次
1日の塩分摂取量の目安は?
熱中症予防などに水分補給・塩分補給が促されることはよくあり、汗をかいて塩分が少なくなると、めまい・立ちくらみなどの症状も起きやすくなります。
しかし、だからといって塩分を摂取しすぎてしまうと、塩分のとりすぎで人体に悪影響をもたらすことも…
要はバランス良く塩分を摂取する事が大切だということなんです!!
では、人が1日に摂取する塩分量の目安はどれくらいが理想でしょうか?
厚生労働省
国民の健康維持を目的として、厚生労働省が5年に一度、食事摂取基準という、エネルギーや必要となる栄養素の基準を定めています。
その基準によると、日本人の1日の必要塩分量は以下の通り。
男性
1~2歳 | 3g |
---|---|
3~5歳 | 4g |
6~7歳 | 5g |
8~9歳 | 5.5g |
10~11歳 | 6.5g |
12歳以上 | 8g |
女性
1~2歳 | 3.5g |
---|---|
3~5歳 | 4.5g |
6~7歳 | 5.5g |
8~9歳 | 6g |
10以上 | 7g |
以上が、厚生労働省が定める塩分摂取量の基準値で、この基準値の少し手前(0.5g減)~基準値ピッタリの摂取量を目指すのが理想です。
また、この基準値以上の塩分を摂取している場合は、塩分の摂りすぎと注意喚起されているので、くれぐれも塩分を摂りすぎないように注意しましょう。
ただし、あくまでこの基準値は、健康な人を対象とした数値で、高血圧や腎臓疾患を抱えている人など病気を抱えている人は該当しません。
これらの病気を抱えている人は大体6g以内が目安とされているので、医師と相談しながら塩分を摂りすぎないよう気をつけましょうね。
WHO(世界保健機関)
社会の授業で一度は習ったことがあることと思いますが、WHOとは、健康=基本的人権の一つと捉え国連が定めた機関です。
日本以上に健康に対する考えがシビアなところもあり、塩分摂取量の目安が日本の厚生労働省よりも厳し目…
では、一体、WHOが定める1日当たりの塩分摂取量は何gでしょうか?
基本的にWHOが定める塩分摂取量はなんと5g。
なんでも、とある研究で、1日平均5gの塩分を摂取している人でさえ、心疾患で亡くなられた方が、世界165万人もいるという調査結果が出ています。
そのことからWHOはより厳密に5gと基準値を厳しく定めているのです。
ただ、塩分摂取量に関しても言えることですが、まだまだ研究途中という部分も持ち合わせているだけに、これが絶対だとは言えません。
あまりに塩分を取らずに熱中症にかかってしまい、結果、亡くなってしまうケースだって大いに有り得る話です。
それだけに、厚生労働省やWHOが提示している一日に必要な塩分摂取量は、あくまで目安の一つとして考えるようにしましょう。
そして、バランスよく塩分も賢く摂取することをおすすめします。
いまなぜ減塩が必要とされるのか?
健康志向がますます進んでいく現代社会において、何かと減塩ブームが訪れていますよね。
しかし、一方では水分と塩分をしっかり摂取し、熱中症対策をしようと注意喚起されているのが現状…。
では、実際のところ、減塩は本当に必要なのでしょうか?
もし必要だとしたら、その理由は何なのでしょうか?
では、早速、今減塩が必要とされる理由をご紹介します。
日本人は塩分を摂りすぎている
食生活の多様化は進んでいるものの、和食も食べる機会が多い日本人は、海外よりも塩分摂取量は低いと思われがち…
ところが、厚生労働省の発表では、日本人は、意外と塩分摂取量が高いと言われています。
その塩分摂取量は以下の通り。
男性 | 11.9g |
---|---|
女性 | 9.4g |
厚生労働省の定める基準値をも上回っていますよね。
やはり食の多様化が進み、加工食品を多く食する日本人は、何かと塩分を多く摂取する傾向にあります。
また、塩分を摂りすぎると、重い病気に掛かってしまう可能性も高まります。
その病気に関しては後ほどご紹介しますが、いずれにしても、これだけ塩分摂取量が高いとなると、厚生労働省やWHOから注意喚起されるのは当然ですね。
塩の取り過ぎで危険がある病気
さて、塩分を摂りすぎると、重い病気に掛かってしまう危険があるとお話しました。
では、具体的にどんな病気機に掛かってしまう危険があるのか、見ていきましょう。
塩分の摂りすぎによって罹ってしまう危険があると言われる病気は以下の通り。
塩分の摂りすぎで怖い病気
- 高血圧
- 腎臓病
- がん
高血圧
高血圧は、読んで時のごとく常時血圧が正常値より高くなる病気です。
基本的に上の血圧:130mmHg未満、下の血圧:85mmHg未満が、正常値の基準とされています。
塩分を摂りすぎてしまうと、基準値を上回る血圧になってしまう恐れがあり、高血圧が続くことで心臓疾患が発症し、死に至ることも…
高血圧が直接重い病気というわけではないものの、軽視したら命を落とすかもしれないので、非常に注意が必要な病気と言えます。
腎臓病
腎臓病とは、本来腎臓がもたらす、血液をろ過して老廃物を尿として排出し、血圧を調整する機能が低下する病気です。
塩分を多く摂取しすぎると、腎臓に係る負担も膨大となってしまうため、塩分の摂りすぎは気をつけなければいけません。
なお、腎臓の機能が低下してしまうことで、人工透析や移植を受けなければならないこともあり、最悪死のリスクも高まります。
実際に厚生労働省が提示している死亡原因の割合でも1.9%は腎不全による死亡と言われているので、やはり注意は必要!!
その他にも腎臓の機能が低下するとこんな症状も見られます。
- 意識障害や不整脈などの心疾患
- 呼吸器系の障害
- 貧血
- 骨がもろくなりやすくなる
一つ間違えれば、命に直結するような危険な症状ばかりですよね。
腎臓が機能低下することで、これらの症状を引き起こす可能性も高まるため、くれぐれも塩分のとりすぎで腎臓に負荷を掛けすぎないよう気をつけましょう。
がん
今の時代、医療が進化しているため、初期段階で見つかれば、がん=不治の病では無くなりつつありますが、それでも死亡率の高い病気に違いありません。
高血圧を放置しておくと、特に胃にかかるストレスが高まり粘膜が剥がれ、がんにかかりやすくなるとも言われています。
もちろん、がんに係る要因が、高血圧だけとは限りませんが、一つでもその要因を食い止めないと、危険は大きくなる一方…
なので、塩分のとりすぎで高血圧になることは非常に危険なことなのです。
【減塩のコツ】減塩のために普段の食事はどうすればいい?
塩分の摂りすぎは、命のリスクも高まってしまうといっても過言ではないほど危険なことです。
それは先程からお話している通り…
では、具体的に減塩していくためには、普段の食事はどのように改善すればいいのでしょうか。
加工食品はなるべく避けよう!!
まず気をつけるには、加工品(ハンバーガー・ソーセージ・インスタントラーメンなど…)を多く摂取しすぎないことです。
加工品には、意外と塩分が多く含まれているので、ちょっとした暴飲暴食を繰り返すだけでも、塩分をとりすぎになってしまう恐れがあります。
特に、お店のラーメンには要注意が必要です。
なんと、1杯のスープに含まれている塩分量は、4~7gと言われています。
つまり、1杯丸々ラーメンを食べただけで、1日の塩分摂取量の基準値を、ほぼ満たしてしまうというわけ。
当然、一日の生活の中でラーメン以外にも、食事は摂取しているはず…
そのため、加工食品に気をつけないでいると、あっという間に塩分を摂りすぎてしまう計算になります。
なので、まずは、加工食品はなるべく避けるように気をつけましょう。
仮に、ラーメンを食べに行くことがあったとしても、極力スープは残すように注意してくださいね。
香辛料・柑橘類・減塩塩を代用する!!
加工食品に頼らず自炊を考え減塩に取り組むことは、実に良いことですが、加工食品同様に塩を使っていては意味がありません。
そこで、自炊する際に取り入れたいのが、唐辛子・ターメリックなどの香辛料やレモン・カボスなどの柑橘類…
そして、塩分が控えめとなっている減塩塩をうまく活用して調理することがおすすめ。
基本的に、塩を使いたいと思うのは、味が薄いと感じるからでその代用が賄えられれば、特に塩に頼る必要はありません。
特に唐辛子・レモンなどは、辛味や酸味があるので、単純に味を濃くするだけなら、塩の代用としても有効的に使うことが可能です。
また、近年、何かと人気の高いハーブを取り入れるのもおすすめ。
特にバジルは、減塩料理のレシピにもよく取り入れられています。
塩だけの味付けよりもバジルが加わることで風味も増しますし、塩の量を減らしても、それほど違和感はありません。
もちろん、バジル独特の風味や、香辛料の辛味、柑橘類の酸味は、塩とは全く別物です。
単純にしょっぱさがどうしても欲しい場合は、塩を使わざるを得ません。
そこで、減塩塩やハーブソルトを用いることで、さらに、減塩効果も期待できます。
このように、工夫次第で減塩はできるので、ぜひ、いろいろ試してみてくださいね。
汗をかいたらその分多めに塩をとってもいい?
よく、汗を書いたら水分と塩分を補給するよう、多方面でアナウンスされていますよね。
もちろんそれは一つの事実なのですが、汗をかいたからといって、その分多めに塩をとっていいということにはなりません。
あくまで塩分を補給すべきなのは、特に何の病気も見られない健全な人に限った話です。
普段から減塩を心がけるように、医師に指導されている高血圧患者は特に汗をかいたからといって塩分を補給する必要はありません。
また、健全者であっても、多めに塩分補給してしまうことで、塩分摂取量が、基準値よりも多くなってしまう恐れもあります。
あくまで塩分補給しすぎないよう気をつけた上で、適度に補給するよう気をつけましょう。
そして、日頃から塩分を摂りすぎている人は、汗をかいたからといって塩分を補給してはいけません。
必ず医師と相談して補給するかどうか決めてくださいね。
2つのおすすめ減塩塩
減塩を心がけるために、減塩塩を有効的に使うことをおすすめしましたが、実際のところ、どんな減塩塩を使えば良いのでしょうか?
そこで、少しでも減塩の手助けとなるように、おすすめの減塩塩を2つご紹介します。
ポッカサッポロ レモンのおかげ ウレシオ
塩分の要素である塩化ナトリウムを減らし、レモンの風味・酸味で塩分に置き換えた健康志向の減塩塩「ポッカサッポロ レモンのおかげ ウレシオ」。
おすすめの特徴
一般的な減塩塩の大きな特徴として、塩化ナトリウムを塩化カリウムに置き換えた商品が実に多いです。
しかし、この減塩塩は、レモンの風味・酸味をかけ合わせて塩分を補ってくれているので、腎臓病でカリウムの摂取制限を受けている人でも利用できます。
商品のレビューに書いてある良い内容
- レモンの風味も楽しめ、減塩も出来るのでとても重宝しています。
- 減塩でもカリウムを使ってないのが、なかなかないので助かります
- 味が普通のと変わらないと思う。健康のために買いましたが買ってよかったと思いますね。
- 慢性腎臓病の人はカリウム制限の場合があるので、カリウムを使っていない本品がよいのではと思います。毎食使用しています。使いきったらまたリピートします。
やはり、レビューを見ても、カリウム制限を受けている人にかなり好評であることが伺えますね。
レモンの風味も心地良いというのが、また気持ちを落ち着かせてくれますし非常におすすめです。
どうしても高血圧で腎臓病を抱えている人は、減塩を指導されているケースが多いです。
価格も1個あたり約270円(100g・3個パックで811円)なので、特に減塩を指導されている方は、一度試してみてくださいね。
S&B マジックソルト オリジナル
塩分そのものは変わりないものの、スパイスやハーブを取り入れ、一度に、使用する量を抑え減塩効果を期待する「S&B マジックソルト オリジナル」。
おすすめの特徴
減塩のコツとしてもお話しましたが、ハーブやスパイス(香辛料)を塩と混ぜて使うことで、味・風味に奥行きが出来、塩が少なくても気にならない…
そんな特徴を持つハーブソルトの一つとして「S&B マジックソルト オリジナル」は発売されています。
深い味わいがある調味料なので、中華・エスニック料理はもちろん、肉・魚料理にも幅広く使うことが出来健康的な減塩効果も期待できます。
商品のレビューに書いてある良い内容
- 洋風料理には何でも良く合います。特に肉料理やマヨネーズとの相性が抜群です。
- 本当に「マジック」のように風味がグレードアップしますし、見た目も緑が綺麗で料理が美味しそうに見えます。
ハーブソルトは、レビューでも言われているように、風味・味わいが一段階グレードアップしてくれる魅力ある調味料。
だからこそ、どんな料理でも相性は良く、意外と塩味が多少薄くても気にならず、減塩効果も期待できます。
特に塩化カリウムに置き換えられているわけでもなく、健康的に減塩が見込めるハーブソルトなので、非常におすすめです。
価格は、80g×2個で915円と若干高め…
しかし、十分それだけの価値のあるハーブソルトなので、ぜひ美味しく減塩を進めるためにも、一度試してみてくださいね。
美味しく楽しく減塩しよう!!
減塩はカロリー制限と同じで、無理して減塩しようとしても、なかなか長続きできません。
どうしても塩味が恋しくなることもありますし、美味しく何かに置き換えて楽しく減塩していくのが最大のコツです。
ぜひ、おすすめの減塩塩も活用しながら、美味しく・楽しく減塩に励んでみてくださいね。