コバエと聞くと自然に不潔なイメージが思い浮かびますよね?
生ものやゴミのまわりにいつもいて、何匹も顔や体の周りをブンブン飛びまわってうるさいし汚い、嫌な虫=小バエと連想してしまいます。
しかし実はこのコバエという名前はいろいろな種類の小さいハエをまとめて呼んでいるだけで、実際にはいくつかの種類がある別のハエなんです。
小さくて見た目が似ているコバエですが、種類によって特徴も退治する方法も違うんですよ。
また種類によって生態も違うので、好む場所や卵を産む場所も違ってきます。
なので、今回の記事で各コバエの特徴を知り、部屋の中に沸いているコバエはどの種類かわかるようにしましょう。そうすることで容易に退治することができますよ。
【レビュー】様々な種類のコバエの退治に成功!
【コバエを激キャッチ】安いのにめちゃめちゃコバエ退治に効果あり!!目次
4種類のコバエ
一般的にコバエと呼ばれているハエの種類は主に4種類の小型のものです。
- ショウジョウバエ
- ノミバエ
- キノコバエ
- チョウバエ
この4種類がコバエと呼ばれているのですが、聞いたことが名前のものもいらっしゃると思います。
それでは4種類のそれぞれの生態や特徴を解説していきます。
ショウジョウバエ
世界で確認されているショウジョウバエは約3000種類。日本で確認されているのは約260種類。
そのためこのコバエは繁殖のサイクルが早いのですぐに大量発生してしまいます。
生活範囲は広く、食べ物が発酵して匂いが出るとよく集まってきます。キノコや腐肉を食べたり、葉や茎にもぐって隠れたりします。
ショウジョウバエは染色体の数が少ないので遺伝の実験に使われることがあり、遺伝子研究の発展に重要な役を果たしてきたそうです。
体長2~4ミリと体は小さく、色は黄から黒までいろいろいますが、眼に特徴がありほとんどが赤色です。主に黄色ショウジョウバエのことをショウジョウバエと呼んでいます。
黄色ショウジョウバエをつぶしてしまった後、赤い液が出てきて血を吸われたと思ってしまいがちですが、これはコバエの体液の色なので心配ありません。
食べ物によくたかり果物や樹液などの天然酵母や腐った果物や野菜を好みます。
腐った果実や樹液はアルコール発酵をおこすので、お酒や酢の匂いにショウジョウバエが引き寄せられていると考えられています。
キッチンやゴミ捨て場に生ゴミをそのまま放置していると、あっという間にショウジョウバエが増えてしまいます。蓋付きのゴミ箱を使ったり、ゴミ袋の口を縛ることで寄り付きにくくしましょう。
2017年に日本の高校生が青い光を当てるとショウジョウバエが死ぬという原因を解明しました。それにより駆除方法が開発されることに期待が持てるようになりました。
ショウジョウバエの寿命
ショウジョウバエの寿命は、卵から成虫までが10日ほど。
成虫の寿命が30日ほどと長いためうざいです。成虫になると500個以上の卵を生むため本当にうざいです。目の周りを飛ぶのもこの種類。目に入ることもあります。大変うざいコバエですので、しっかり退治や発生の予防をしましょう。
コバエの発生予防や退治グッズをまとめた記事
【うざい】コバエに効果的なおすすめ対策商品!グッズを使って簡単に駆除ノミバエ
世界で確認されているノミバエは約1600種類。日本で確認されているのは約120種類。
腐敗した植物に多く発生する。キノコや他の昆虫類に寄生するノミバエもいて、動きは早くきわめて活発です。
体長は約2mm。色は黒色や黄褐色のものが多い。
虫や植物の腐敗臭に寄り付く習性があり、人家では食卓や台所のみならず、トイレやゴミの周りによく出没する種類です。
根が腐った観葉植物や、花瓶の水を取り替え忘れて水が腐ったりすると匂いに寄ってきます。
ノミバエの問題点は様々な食品に潜り込んで卵を産み付けることがあるので、飲食店や料理を扱う場所では特に衛生面に気をつける必要があります。
ノミバエは歩くのが得意で1秒に10cmも歩くと言われており、常に走り回っているので止まっていることの少ない種類のコバエです。
また近くでほかのハエが交尾や卵を産み始めると、誘発されてほかのノミバエも産卵を始めてしまうため大量発生に繋がってしまいます。
自然環境では突然変異による羽がない寄生するものも確認されていて、ノミバエの幼虫がアリを食べてしまうことも目撃されています。
ノミバエの寿命
ノミバエの寿命は比較的短く卵から成虫(卵→幼虫→蛹(さなぎ)→成虫)までが15日ほど、成虫から死ぬまでの間が10日ですので約25日くらいの寿命となっています。
キノコバエ
世界で確認されているキノコバエは約4500種類。日本で確認されているのは約250種類。
体長は約2mmで色は黒、黄、褐色、赤色などがおり斑模様のものもいます。
幼虫は湿った場所を好むので、土の中や落ち葉などが堆積した場所などに住んでいます。腐敗植物やキノコなどを食べるのでキノコの大害虫としても知られています。
このキノコバエの幼虫には、昆虫やミミズを食べる肉食のものもいます。
キノコバエはきのこだけでなく、観賞植物の茎から養分を吸って餌とすることもあり、植物の樹皮や洞窟の壁に卵を産み付けます。
湿気が多い、薄暗い場所を好み、洞窟や林や渓流のそばによく群れています。
家の中では観葉植物や植木鉢の土の中にキノコバエの卵が入り込んでいることもあり、その卵が孵化してしまうことによって室内にキノコバエが大量発生してしまいます。
キノコバエの種類によっては発光する幼虫もいるらしく、土ボタルという異名を持つ種類もいるそうです。
キノコバエの寿命とサイクル
キノコバエの寿命は、卵から成虫までで15日から30日ほど。成虫の寿命は4日から10日ほどとなっています。
チョウバエ
日本国内で確認されている種類は約50種類。
日本の人家では4mm程度の羽がハート型のオオチョウバエと、1mmほどの小さいホシチョウバエの2種類がよく見かけられます。
蝶や蛾のように体が毛や鱗毛におおわれていて、褐色のものが多く、中には鮮やかな色をしたものや斑模様のものもいる。
幼虫は腐敗した植物を食べます。チョウバエの幼虫には水生のものが多く藻を食べて育つ特徴があり、下水の中で成虫になる場合もあります。湿地や沼などの水が多い場所が生息地になっています。
ためらうようにヨタヨタした独特の歩き方をしますが、飛ぶときはすばやく飛立ちます。
トイレでよく発生することから、世間では「便所バエ」と呼ばれています。
台所やお風呂、洗面所や洗濯機など水気のある場所や排水まわり、下水管などの微生物を多く含むヘドロからもチョウバエが大量発生することがあります。
チョウバエは夜行性のため昼間はあまり動き回らずに、壁などに止まって静止していることが多いのが特徴です。夜にお風呂場で見かけるのはこういう特性があったからなんですね。
チョウバエの寿命
チョウバエの寿命は卵から成虫までで20日ほど、成虫の期間は14日ほどあります。
コバエとは
人間にとって家の外でも中でもブンブン飛びまわるコバエは非常にうっとおしい存在です。
見た目が不快である上、いつどこから現れたのかもわからないため、目に付くとストレスを感じます。
特に来客中や食事中、飲食店でコバエを見かけると一気に気分が悪くなりますよね。
気分が悪いだけならまだしも、「もしかしたら有害な虫なんじゃないの?」というのが1番心配になってきますよね?
コバエの生態を調べて害の有無がわかれば対策も考えられるので、育ち方や害があるのかを説明していきます。
コバエの一生、サイクル
コバエは卵→(孵化)→幼虫→(蛹化)→蛹→(羽化)→成虫という段階を経る完全変態昆虫です。
家の中で最もよく見かけるショウジョウバエの生態がこのようになります。
食べ物に困らず適温の環境下であれば、卵の期間(約1日)→幼虫の期間(約4,5日)→蛹の期間(約5日)となります。
それぞれのコバエの寿命と産卵数まとめ
代表的な4種類のコバエのそれぞれ寿命と、産卵を見比べてみましょう。
ショウジョウバエは卵からおよそ10日で成虫になり1日に30~50個、死ぬまでに数千個の卵を産むといわれています。
ノミバエは卵から約2週間で成虫になり、成虫になってからの寿命は約10日。驚くべきことにノミバエは成虫になってからわずか3日で産卵できるようになり1度に30~40個ほどの卵を産みます。
キノコバエは約3週間で成虫なり、成虫になってからの寿命は約4~10日。1度に200~300個ほどの卵を産み、成虫になるまでの期間はショウジョウバエよりも長く約20日~30日間です。
チョウバエは約2週間で成虫になり、成虫になってからの寿命は約4~14日で死ぬまでに約240個の卵を産みます。
各コバエの孵化までの時間と成虫になってからの産卵数、成虫になってからの寿命にも差がありますね。
ショウジョウバエとノミバエは生きている間に何度も卵を産むので大量発生するので要注意です。
12月から3月までの寒い時期はあまりコバエを見かけませんが、4月から11月は暖かいこともあり活発で人家に侵入することが多くなります。
ハツカネズミは20日で繁殖するので爆発的に増えるなんていいますが、コバエのサイクルはもっと早いので大量発生してしまうんですね。
コバエってうざいだけで害はないの?
コバエで1番気になるのは、「人間に害があるのか、それとも無害なのか」ですよね?
どんな虫でも餌を食べたときに病原菌をつけて飛びまわり、人間がその病原体を体内の取り込んでしまう可能性は0ではありません。
昔はポリオウイルス、赤痢菌、サルモネラなどがハエによって媒介されていると知られていいましたが、現在では公衆衛生が向上したことにより病原体が少なくなりました。
そのおかげでハエを介して病原体をもらう可能性が低いことから、コバエは直接人間にとって害のある生物ではないと言えます。
海外には血を吸うハエもいるようですが、日本国内にはそういう種類はいませんのでご安心ください。
ただ90年代後半ごろから大腸菌O157やトリインフルエンザウイルスなど病原体が、ハエによって媒介されている可能性を示す研究結果が発表されました。それ以降ハエによって病原体が広まってしまう可能性がまた懸念されはじめてています。
コバエによる間接被害
ハエは栽培している植物の実や種、球根などに寄生して腐敗させて食べるので、農業被害にあうことがあります。
コバエで言えばショウジョウバエがバナナや玉ねぎに寄生して、食べたり腐らせたりしてしまうことがあったり、チョウバエやキノコバエも植物の養分を吸ったり、藻を食べたりします。
羽の音や見た目によるストレスや不快感も、コバエが人間に与える間接的な被害です。
コバエによる直接被害
これがコバエの1番の被害といえるかもしれませんが、植物や糞尿にたかるので不衛生極まりなく、家庭や飲食店のみならず食品工場などの業者にも深刻な被害をもたらします。
色々な食べもの、特にお肉などに潜り込んで産卵することがあり、衛生面での被害だけでなく人体に害を及ぼす場合もあります。
現在の衛生環境ではそれほど心配はありませんが、ノミバエは肉や人の食べ物に卵を産みつけることがあり、孵化した幼虫が食べ物を介して人体に入ってしまうこともあります。
これが原因で腸内が刺激され、下痢や腹痛が起こることをハエ症と呼びます。便を出すことによって幼虫も排出されれば症状は治まります。
おさえておいた方がいいコバエの特徴
卵から成虫になるまでのサイクルが早く、飼育が簡単なため遺伝子研究にコバエが使われています。
裏を返せば簡単に繁殖することができ、すぐコバエになるという意味でもあります。
このコバエのたちが悪い理由はメスのハエが室内で生き延びた場合、産卵することがあると言うことです。このメスコバエが卵を産んでしまうと10日~3週間でコバエが大量発生してしまいます。
4月から11月までの暖かく湿気の多い時期は特に繁殖率が高いので、何百という卵を産む前に排除したほうがいいですね。
また腐敗臭だけでなく植物や花の香りを好み、夜なら室内の電気の明かりによってきます。
コバエは小さいため網戸を閉めていても簡単に進入してくることができ、食べこぼしや観葉植物などの匂いに引き寄せられて寄ってきてしまいます。
さらに厄介なのがコバエの種類によって微妙に活動場所が分かれていて、どこにでもコバエが現れる可能性があるということです。
ショウジョウバエやノミバエなら食卓や台所、キノコバエなら植物の周り、チョウバエなら風呂や下水、排水周りといった場所に来ます。
今回紹介した4種類のコバエの特徴や生態は退治するときの役に立ちますので、頭の片隅にでも置いておいていただけたら幸いです。